エイタロウ
【キャスト】德田英太郎/春田早希奈/平岡京子/小松蓮/宮内尚起/花牟礼宏紀/児玉俊和/青川穂美里/茂谷侑和/門間ゆきの/宇都大作
【監督】久保理茎
【制作】2025年/日本
【Web】https://sites.google.com/view/eitaro2024
【日本公開】10月4日(土)より池袋シネマ・ロサほか全国順次公開
【配給】ガスコイン・エイシア
(C)ガスコイン・エイシア
地方に生きる俳優の“今”を刻む、完全自主制作映画
「クソみたいな人生のためにクソみたいな時間が過ぎていく。夢、家族、仕事、全て全力でやったさ。いや、嘘だね。全てそこそこだ。そこそこにうまくやれるのが問題なんだ──」。 『エイタロウ』はオール鹿児島ロケ、出演者も全て地元在住のキャストという、純度100%鹿児島産のインディーズ映画である。物語の中心にいるのは、鹿児島を拠点に活動する俳優・德田英太郎。その半生を下敷きにした本作で、主人公エイタロウを本人が演じ切っている。実生活でもビール会社の契約社員として働きながら家庭を支え、俳優を続ける彼の姿は、劇中のキャラクターと地続きだ。
ストーリーの中核は、中年に差し掛かった一人の男の葛藤そのものだ。妻子を養いながら俳優業を続けるエイタロウ。心のどこかには「東京で役者として勝負したい」という思いも残っているが、今さら家族を置いて上京できるのか、自分には「本気で賭けられるものがあるのか」と、モノクロに沈む日常の中で逡巡し続ける。しかし、エイタロウの人生を形作ってきた人々との再会をきっかけに、彼の物語は急展開を迎える──。
監督は、映画『血と骨』の助監督や『舞妓Haaaan!!!』『クライマーズ・ハイ』『余命』などのプロデュースを担い、熊本地震の記録映画『西原村』も手掛けた久保理茎。次回作の題材を探していた折、偶然德田から「高校を中退してから暗くなった人生が人との出会いによって再生された」という経験を聞き、「これだ」と作品化を思い立ったという。いわゆる「ご当地映画」の多くが観光地のPRの要素を含むのに対し、本作は完全自主制作にこだわり、作品の純度を守った。商業性を排したからこそ生まれる生々しいリアルが、本作の根幹をなしている。
10月、東京・池袋シネマ・ロサでの上映が決定。『カメラを止めるな!』『侍タイムスリッパー』など数々のインディーズヒットを輩出してきた聖地で、ついに本作が公開される。地元に生きる一人の無名俳優の人生が、そのままフィクションへと結晶化したような一本。虚飾を捨てたリアルを、あなた自身の目で確かめてほしい。