MIRRORLIAR FILMS Season8
【キャスト】アル・アミン(「ALI」)/原田美枝子(「カラノウツワ」)/根津茂尚(「愛骨」)/北浦愛(「ラの♯に恋をして」)/イアン・レビック(「CUT!」)/濱尾ノリタカ(「The Breath of the Blue Whale」)
【監督】アドナン・アル・ラジーブ/松田美由紀/節田朋一郎/廣田耕平/安藤春/佐渡恵理
【制作】2025年/日本
【Web】https://films.mirrorliar.com/
【日本公開】2026年1月16日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国の劇場で2週間限定上映
【配給】アップリンク
©2025 MIRRORLIAR FILMS PROJECT
6本の短編が響きあう、極上の映画体験
2020年に始動した『MIRRORLIAR FILMS(ミラーライアーフィルムズ)』は、伊藤主税、阿部進之介、山田孝之らがプロデュースする、メジャーとインディーズの垣根を超えた短編映画制作プロジェクトだ。加藤浩次や加藤シゲアキらが監督として参加した『Season7』は、「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア2025」でショートフィルム文化・産業・地域への顕著な貢献として特別賞を受賞。2週間の限定公開として始まったが満席が続き、全国に拡大する大きな反響を呼んだ。
今回の『Season8』で上映される短編は全6本。「第78回カンヌ国際映画祭」で特別賞を受賞したアドナン・アル・ラジーブ監督の『ALI』。骨に夢中の教師と女性教師、謎めいた女生徒の三角関係『愛骨』。おならで始まる恋とピアノの音色が心地よく響く『ラの#に恋をして』。俳優の転落を描く傑作サスペンス『CUT!』。原田美枝子扮するパチンコ店に似つかわしくない常連客と青年店員の邂逅を描いた『カラノウツワ』。そしてコマーシャルフィルムやミュージッククリップなどで独創的な世界観を魅せ、「誰も見たことのない絵が撮れる」とMEGUMIに絶賛された佐渡恵理が監督を務め、主演に濱尾ノリタカを迎えた『The Breath of the Blue Whale』が並ぶ。
筆者は決して映画通ではないが、映画祭などで上映される短編のオムニバスが好きで、一つひとつの作品の違いや共通点、「なぜこの順番なのか」などを考えながら観るのを密かな楽しみにしている。『MIRRORLIAR FILMS Season8』は、まさにその視点で観ると抜群に面白い作品群だった。以前別の映画祭で観た『愛骨』が、今回の6本の中に置かれることで他作品との相互作用が生まれ、一段と輝いて見えたのだ。
よく構成された短編オムニバスは、コース料理やアーティストの名盤に似ている……、と思う。それぞれが固有の味わいや価値を持ちながら全体の中で役割を果たし、一つのテーマへ収束していく。本作を観終わった時、私は思わず「人生みたいじゃ」と呟き、我に返って苦笑した。短編オムニバスならではの映画体験を、是非あなたも味わってみてほしい。
