BLUE/ブルー

ボクシングには赤コーナーと青コーナーがある。一般的に赤はチャンピオンや上位選手、青はチャレンジャーや下位選手のコーナーだ。本作「BLUE/ブルー」はまさにその題名の通り、“挑戦者”であるボクサーたちの物語。自身も30年以上ボクシングを続けているという、『ヒメアノ〜ル』や『愛しのアイリーン』の吉田監督だからこそ描けた、生々しいまでにリアルなボクシング映画がここに誕生した。

記事をpdfで見る(画像クリックで別ウィンドウ表示)

記事または映画評のサムネイル画像(A4用紙サイズ/縦長)

2021年4月号

【キャスト】松山ケンイチ 木村文乃 柄本時生 / 東出昌大

【監督】吉田恵輔(脚本・殺陣指導)

【制作】2021年/日本

【Web】https://phantom-film.com/blue/

【日本公開】4月9日(金)より、新宿バルト9/梅田ブルク7ほか全国ロードショー

【配給】ファントム・フィルム

©2021『BLUE/ブルー』製作委員会

ボクシングの“挑戦者”たちが見せる美しさ

ボクシングには赤コーナーと青コーナーがある。一般的に赤はチャンピオンや上位選手、青はチャレンジャーや下位選手のコーナーだ。本作「BLUE/ブルー」はまさにその題名の通り、“挑戦者”であるボクサーたちの物語。自身も30年以上ボクシングを続けているという、『ヒメアノ〜ル』や『愛しのアイリーン』の吉田監督だからこそ描けた、生々しいまでにリアルなボクシング映画がここに誕生した。

物語の中心となるのは、同じジムに集う3人のボクサー。 ジムでトレーナー兼選手をしている瓜田(松山ケンイチ)は誰よりボクシングを愛し、練習熱心で基本に忠実。それでいて人も良いのだが、才能に恵まれず試合では負け続きだ。一方、 瓜田の後輩・小川(東出昌大)は抜群の体格とセンスで周囲から期待される存在。連勝街道を突き進み、日本チャンピオンのベルトに手を掛けようとしているが、パンチドランカーの影響も表れ始めていた。そんな小川と瓜田は親しい仲だが、 小川の恋人・千佳(木村文乃)は瓜田の初恋相手でもあり、今もひそかに好意を寄せていた。そんな二人のいるジムに新たに通い始めたのが冴えない男・楢崎(柄本時生)。ただ好きな女の子の気を引きたくてボクシングを習いに来た。そんな彼にも瓜田は優しくボクシングを教えていき、やがて楢崎はプロライセンスを取得。そして瓜田の正念場の試合、小川の念願のタイトルマッチ、楢崎のプロデビュー戦が同じ興行で行われることとなった。

立場や才能は異なりながらもボクシングに人生を捧げる三者。それぞれが辿り着く先とは──。 ボクシングの魅力は、その洗練された技術にある。足技も投げ技も寝技もなし。ただパンチだけで雌雄を決する。制限があるからこそ技術は深みを増すもので、ボクサーのパンチとフットワークは舞いのように美しい。それは愚直なまでに一つのことを究めんと努力した血と汗の結晶だ。努力すれば必ず成功できるとは限らない。でも、努力し続けた者だけが持つ美しさがある。そんなボクサーたちの姿を映し出した本作は、努力し続ける全ての“挑戦者”へのエールのようだ。

view more-映画の一覧へ-