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パイプライン

業界随一の穿孔技術者、通称“ピンドリ”。彼はその技術と知識を巧みに活かし、地下の送油管── パイプラインを流れる石油を幾度も盗み出してきた腕利きの「盗油師」であった。そんなピンドリは大企業の権力者であるゴヌを紹介され、彼から数千億ウォン相当の石油を盗み出す壮大な計画への協力を依頼される。目も眩むような大金を報酬として提示されたピンドリはオファーを断れるはずもなかった。

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2022年2月号

【キャスト】ソ・イングク/イ・スヒョク/ウム・ムンソク/ユ・スンモク/テ・ハンホ/ペ・ダビン

【監督】ユ・ハ 【脚本】ユ・ハ、キム・ギョンチャン

【制作】2021年/韓国

【Web】https://klockworx-asia.com/pipeline/

【日本公開】2022年2月4日(金)シネマート新宿ほか全国ロードショー

【配給】クロックワークス

©2021 [CJ ENM, GOM PICTURES, M.o.vera Pictures] All Rights Reserved.

一触即発、火気厳禁 油盗んで、一攫千金

業界随一の穿孔技術者、通称“ピンドリ”。彼はその技術と知識を巧みに活かし、地下の送油管── パイプラインを流れる石油を幾度も盗み出してきた腕利きの「盗油師」であった。そんなピンドリは大企業の権力者であるゴヌを紹介され、彼から数千億ウォン相当の石油を盗み出す壮大な計画への協力を依頼される。目も眩むような大金を報酬として提示されたピンドリはオファーを断れるはずもなかった。そして同じように集められたプロ溶接工の“チョプセ”、圧倒的な土木知識を持つ“ナ課長”、怪力の人間掘削機“ビッグショベル”、監視担当である“カウンター”の4人とチームを組み、計画へ臨むことに。しかし不測の事態、裏切りやペテンが計画を狂わせ、事態は思わぬ方向へ向かっていく──。

犯罪映画のサブジャンルの一つである「ケイパー・ムービー」という概念をご存知だろうか。一般的には、それぞれに得意技、専門知識などの強みを持ったスペシャリストで構成された犯罪者集団が緻密な計画を練って、大金またはそれと同等の価値のついた獲物を奪取する筋書きの映画を指す。長い歴史を持つ「ケイパー・ムービー」の中で、新機軸を打ち出したと言える一作がこの『パイプライン』である。

送油管に穴を開けて石油を盗み、転売する特殊犯罪「盗油」を韓国映画で初めて正面から取り上げ、本国公開前から大きく話題を集めた本作。一般人には馴染みのない特殊な設定なだけに、その美術にはすべての視聴者にとって受け入れやすい意匠とリアリティーが必要不可欠。ユ・ハ監督と綿密な議論を重ね、与えられた難題に正面から立ち向かった美術監督イ・ミニの一発回答を是非スクリーンで堪能してほしい。

他にも、映画を彩る個性豊かなキャラクターたち、巧妙に視聴者の裏をかき続ける練られた脚本など魅力に溢れた極上のエンタメアクション映画である本作。ノンストップかつハイスピードでスクリュー回転してゆく展開に、貴方はついていけるか?地中でさまようモグラ(=盗油師)たちが地上への風穴を開けて、光を浴びる瞬間を目撃せよ。

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