永遠を壊したのは、僕。

私が中学生になったばかりの時のこと。昔仲が良かった子と二年ぶりに再会した。彼女は以前そうであったように、無邪気に近づき、いくらか大きすぎる声で私に呼びかけた。内心では嬉しかったが、臆病な私は周りの目が怖くて、意図的に苦笑を浮かべ、半ば無視するような形で通り過ぎた。当時はまた話す機会があるだろうと軽い気持ちでいたが、結局それから彼女とは一度も言葉を交わすことはなかった。思い返すと彼女の無邪気な顔を見たのはその時が最後で、私が彼女に取ったような冷めた態度や表情しか記憶になく、ずっと罪悪感が残っている。

第75回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した『CLOSE／クロース』は、そんな誰しもが抱える思春期の苦い記憶を想起させる、少年に起こる残酷な悲劇と再生を描いた作品だ。13歳のレオとレミは24時間共に過ごす大親友。中学校に入学した初日、親密さをクラスメイトにからかわれたレオは、レミとの接し方に戸惑い、そっけない態度を取ってしまう。二人の距離は次第に離れ、取り返しのつかないものになっていく。

学校などで多くの人たちと生活する中では、それまで属していたコミュニティでは普通だと思っていた言動や習慣が、異質なものとして忌避されたり揶揄されたりすることがある。それを意に介さない者もいるし、傷つくのを恐れて多数派に迎合したり、本音を隠したりする者もいる。後者を選んでしまった場合、どんどん自分の思いと行動が乖離してしまったりも──本作ではそうした集団生活の独特の生々しさやほろ苦さが、色鮮やかな映像美とともに、繊細に、丁寧に表現されている。

特に、主役のレオを演じるエデン・ダンブリンの瞳のなんと素晴らしいことか。牧歌的な冒頭のシーンのいたずらっぽい目、相手を突き放すような視線、荒んだ目、他者を労る優しげな瞳と、変化する眼差しを見るだけで、彼の心情を読み取れるかのようだ。一方で友人レミを演じるグスタフ・ドゥ・ワエルの瞳は常に純粋で邪気がなく、儚い。二人の親友が育った美しい花畑や田園風景も、どこか取り戻せないような儚さがあり、人物を見る度、風景を見る度に、胸を締め付けられてしまう。