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ストリートダンサー

映画製作が盛んなインドの言語圏から、日本未公開の映画作品を中心に選び、多様な「インド」を字幕付きで紹介する『インディアンムービーウィーク2023』。東京では『キネカ大森』にて、2023年12月中旬から2024年1月上旬にかけて開催された。その中で、とある映画が、特別上映された際にチケットが5分足らずで売り切れとなる人気を呼び、急遽2024年3月から劇場公開されることになった。それが本作、『ストリートダンサー』だ。

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2024年3月

【キャスト】ヴァルン・ダワン/シュラッダー・カプール/プラブデーヴァー/ノーラー・ファテーヒー

【監督】レモ・デソウザ

【制作】2020年/インド

【日本公開】3月1日(金)より新宿ピカデリーほか 全国ロードショー

【配給】SPACEBOX

©Remo D’Souza Entertainment ©T-Series ©UTV Motion Pictures

トップダンサーが集結したインドのダンスバトルムービー

映画製作が盛んなインドの言語圏から、日本未公開の映画作品を中心に選び、多様な「インド」を字幕付きで紹介する『インディアンムービーウィーク2023』。東京では『キネカ大森』にて、2023年12月中旬から2024年1月上旬にかけて開催された。その中で、とある映画が、特別上映された際にチケットが5分足らずで売り切れとなる人気を呼び、急遽2024年3月から劇場公開されることになった。それが本作、『ストリートダンサー』だ。近年は世界のダンスコンテストでインドのダンスグループが大きな成果を収めているそう。本作はそんなダンスコンテストにスポットを当て、大会に挑む若者たちの情熱と友情を描いている。

作品の特徴の一つは、数々の紛争を抱えていることで知られるインド系とパキスタン系の青年たちがロンドンを舞台にそれぞれダンスグループを結成し、対立しているという設定だろう。実際の両国の対立や「ディスる」文化のストリート系を描いた映画であることを考えると、大丈夫かと心配になってくる。しかし、本作に登場する二つのグループはスポーツバーでクリケットの試合を観ながら自分の国が優勢になると鼻高々になったり、注文する料理の数で張り合ったりするなど、どこか無邪気で微笑ましい関係だ。もう一つの特徴は両国に関係する移民や貧困などの問題が次第にクローズアップされ、やがて両国の人たちが手を取り合うこと。また気がつけば自分本位な行動を取ってしまい、他者から諭されて立ち直る主人公の葛藤シーンには、思わず共感し、見入ってしまう。

とは言え本作の見所はやはりダンス。とにかくどの場面でもダンスが満載。主演二人のダンスだけでも充分に上手いのに、プラブデーヴァーやノーラー・ファテーヒーといったトップダンサーたちが集結しており、パワフルなダンスを存分に楽しめる。落ち込んでいる人が観ればきっと気が晴れるし、テンションが上がっている人はさらに上がること請け合い。ダンス、ダンス、ダンス──爽快なダンスバトルムービーを心ゆくまで堪能しよう。

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