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フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン

アポロ11号が月に到達し、史上初めて人類による月面着陸に成功したのが1969年のこと。宇宙船に乗り込んだのはニール・アームストロング船長と他2名で、同氏は「人類で初めて月面に降り立った人物」として歴史に名を刻んだ。しかし、この偉業には奇妙な噂が存在した。曰く、月面着陸は捏造であり、映像はハリウッドのスタジオで撮影されたというもの。『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』はそんな“疑惑”にまつわる話をハリウッド自身が手掛け、ユーモラスに描いた一作だ。

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2024年7月

【キャスト】スカーレット・ヨハンソン/チャニング・テイタム/ウディ・ハレルソン

【監督】グレッグ・バーランティ

【Web】https://www.flymetothemoon.jp

【日本公開】7月19日(金)より全国の映画館で公開

【配給】ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

注目のApple Original Films×ソニー・ピクチャーズ第二弾

アポロ11号が月に到達し、史上初めて人類による月面着陸に成功したのが1969年のこと。宇宙船に乗り込んだのはニール・アームストロング船長と他2名で、同氏は「人類で初めて月面に降り立った人物」として歴史に名を刻んだ。しかし、この偉業には奇妙な噂が存在した。曰く、月面着陸は捏造であり、映像はハリウッドのスタジオで撮影されたというもの。『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』はそんな“疑惑”にまつわる話をハリウッド自身が手掛け、ユーモラスに描いた一作だ。

本作の舞台は、アポロ計画がスタートしてから8年経った1969年のアメリカ。米ソ宇宙開発競争で後れを取るNASAに対し国民の関心は薄れ、予算は膨らむ一方だった。この状況を変えるべく、ニクソン大統領に仕える政府関係者を通して雇われたPRマーケティングのプロ・ケリーが活躍。月面着陸に携わるNASAスタッフにそっくりな役者たちをメディアに登場させ、偽のイメージ戦略を仕掛ける。NASAの発射責任者であるコールはケリーのやり方に反発するが、PR作戦が功を奏し、やがて全世界が月面着陸に注目するように。そして「月面着陸のフェイク映像を撮影する」というミッションが告げられ、“嘘の月面”での撮影準備が始まるのだが……。

本作はホアキン・フェニックス主演×リドリー・スコット監督で評判となった『ナポレオン』に続く、Apple Original Filmsとソニー・ピクチャーズとの提携による劇場公開作品となる。

Appleなどが手掛けるストリーミング型の映像作品は隆盛を誇ってきたが、2022年に各ストリーミング企業の契約数が減り、株価が暴落するなど、陰りも見られる。一方で映画スタジオは製作費の高騰や生活習慣の変化などにより、従来の製作配給体制の維持が難しい情勢だと言われている。そこで増えてきたのがストリーミング企業とスタジオの提携で、採算を取りづらいアート系映画を送り出したり、劇場公開してヒットに導くことでストリーミング加入者を増やしたりといった効果が期待できるのだ。こうした連鎖により映画館への来場者が増え、末永く良い作品が上映されていくことを願ってやまない。

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